「リアル絵本じゃないといけない」ってプレッシャー、感じていませんか?
「赤ちゃんにはリアルな絵の絵本がいい」と聞いて、
気づけばリアル絵本ばかりを選んでいた、ということはありませんか?
私もはじめて息子に絵本を選ぶとき、
「モンテッソーリ的にはリアルな絵がいいらしい」という情報に出会って、
絵本棚をリアル絵本でそろえようとしていた時期がありました。
でも正直、選択肢が少なくて。
リアル絵にこだわればこだわるほど、
「この絵本かわいいな」と思っても、デフォルメ絵だから…と諦めることが増えていったんです。
そんなとき、ふとこんな疑問が浮かびました。
「リアル絵本だけにこだわる必要って、本当にあるの?」
今日はその答えを、教育ライターとしての知識と、
2人の息子を育てるママとしての実体験を交えてお話しします。
「リアル絵本がいい」は正しい。でも、それがすべてじゃない
まず前提としてお伝えしたいのは、
「赤ちゃんにはリアルな絵の絵本がおすすめ」というモンテッソーリの考え方は正しいということです。
赤ちゃんの脳は、まだ見たことのないものと、
絵の中の象徴的な表現を結びつける力が発達途中。
だから実物に近いリアルな絵の方が、
赤ちゃんは認識しやすいんです。
ただ、ここで大切なのは「認識しやすい=それしか見せてはいけない」ではないということ。
問題の本質は、「リアル絵本だけが正解」という思い込みが、
絵本との楽しい出会いを狭めてしまっているかもしれない、ということです。
なぜ「リアル絵本神話」が広まったのか
原因1:モンテッソーリ教育の本来の文脈が伝わっていない
モンテッソーリ教育は、
もともと障害を持つ子どもたちのための教育法として、
マリア・モンテッソーリ博士によって提唱されました。
子どもたちが「認識しやすい・やりやすい・自分の力を最大限に発揮できる」方法を徹底的に研究したものです。
だからこそ、「より認識しやすいリアルな絵を使おう」という発想は、
とても理にかなっています。
そしてそのアプローチはすべての子どもにとっても有益です。
ただ、「子どもが認識しやすい=それ以外はNG」ではありません。
「より良い方法の一つ」として紹介されたものが、
いつしか「それだけが正解」として広まってしまったのが、誤解の根本にあります。
原因2:デフォルメの認識がいかに高度な処理かが知られていない
少し前まで、AIが非常に苦手としていた分野があります。
それが「デフォルメの認識」です。
リアルな象の写真と、丸くてかわいくデフォルメされた象のイラスト。
人間にとっては「どちらも象」と一瞬でわかりますが、
かつてのAIはこの2つをうまく結びつけることができませんでした。
(現在の高性能なAIは対応できていますが、
それは膨大な学習データと処理能力があってこそです)
つまり、デフォルメを認識するというのは、
それだけ複雑で高度な脳の処理が必要ということ。
だとしたら、赤ちゃんがデフォルメ絵本に触れることは、
脳への良い刺激になるのでは?とめいたは考えています。
原因3:1歳半健診でのデフォルメ指さし検査が見落とされている
1歳半健診で行われる発達確認の一つに、
「絵を指さす検査」があります。
「ワンワンはどれ?」と問いかけながら、
デフォルメされた犬や猫のイラストを指さしさせるもの。
つまり1歳半には、多くの子どもがデフォルメ絵を認識できるようになっているんです。
赤ちゃんは0歳のうちから、
デフォルメ絵本に触れることで少しずつデフォルメ認識を学習しているからこそ、
1歳半には「ワンワンはどれ?」と指差せるようになるのではないでしょうか。
リアルな絵本だけ読んでいた赤ちゃんが、
ある日突然デフォルメが認識できるようになるわけではありません。
日々の絵本体験の積み重ねが、デフォルメ認識力を育てていくのです。
リアルもデフォルメも「両方」読もう
では、どうすればいいのか。
答えはシンプルです。
リアル絵本とデフォルメ絵本、どちらも取り入れる。
リアルな絵は「実物を認識する力」を育て、
デフォルメの絵は「象徴を理解する力・抽象思考の土台」を育てます。
どちらも子どもの発達に欠かせない、大切な絵本体験です。
ここで、リアル絵本の代表として「どうぶつのおやこ」を、
デフォルメ絵本の代表として「どうぶついろいろかくれんぼ」をご紹介します。
リアル絵本の代表:どうぶつのおやこ(福音館あかちゃんの絵本)
薮内正幸さんによる精緻なリアルイラストで、
さまざまな動物の親子が描かれています。
我が家の長男も0歳の頃、
ページをめくるたびにじっと絵に見入っていました。
「本物の動物」に近い絵だからこそ、赤ちゃんの目が輝くんですよね。
そしてこちらの絵本は、主に動物の「おかあさんと子ども」が描かれています。
たてがみのあるライオンではなく、メスのライオン。
少し成長してくると、このライオンさんはなぜたてがみがないのかな?
と、子どもの疑問をひき出すことができます。
こういった部分もリアルな絵の絵本ならではの魅力です。
文章のない絵だけの絵本なのですが、
難しくとらえなくても大丈夫です。
「ライオンさんだね」「わんちゃんだね」
と声をかけてあげるだけで十分です。
美しいイラストで、
0歳からの読み聞かせにぴったりの一冊です。
デフォルメ絵本の代表:どうぶついろいろかくれんぼ
いしかわこうじさんのかたぬき絵本。
型抜きの穴から見えるシルエットが「なんの動物かな?」とページをめくる前に想像させてくれます。
デフォルメされたカラフルな動物たちが次々登場し、
赤ちゃんが喜ぶしかけがたっぷり。
私自身も長男に読んでいたとき、
ページをめくるたびに「あ!」と声を上げてくれて、こちらまで嬉しくなりました。
現在8か月の次男にもこれは好評で、
やはり見やすい色彩とシンプルなイラストが赤ちゃんに響くのかな、と思います。
シリーズで出ているので、
のりもの好きならのりもの、虫が好きなら虫など
幅広く楽しめます♪
英語も書いてあるので、英語絵本の導入として使うことも可能。
リアルとデフォルメ、両方の絵本があることで、
赤ちゃんの脳は豊かに刺激されます。
具体アクション:今日からできること3つ
アクション1:「リアル1冊+デフォルメ1冊」両方読んでみる
読み聞かせのときにリアル絵本とデフォルメ絵本を両方読んでみてください。
バラバラのタイミングでも大丈夫。
同じ「どうぶつ」というテーマで、異なる表現に触れることができます。
その積み重ねが子どもの認知力を育てます。
アクション2:デフォルメ絵本で「これなあに?」を楽しむ
デフォルメ絵本を読むとき、
「これ、なあに?」と声かけしながら一緒に楽しんでみましょう。
0歳のうちはまだ答えられませんが、声かけを続けることで、
1歳半の指さし検査への自然な準備にもなります。
返事がなくても大丈夫。
繰り返しの声かけが、脳の中でじわじわと積み重なっていきます。
アクション3:「絵本選びのルール」を手放してみる
「リアルな絵でないといけない」「教育的でないといけない」。
そんなルールをいったん手放して、
「かわいい」「読んでいて楽しい」という直感で絵本を選んでみてください。
ママが楽しく読める絵本は、赤ちゃんにも伝わります。
これは本当に大事なことで、
少し大きくなってくると、「教育的な絵本である」ことは子どもに伝わります。
失礼な言い方かもしれませんが、
「子どもにこういうことを教えたい」という作者や親の意図がダイレクトに子どもに伝わる絵本って、結構多いのです。
人それぞれかと思いますが、私めいたは教育的すぎる内容の絵本は苦手です。
自然な流れで子どもが何かを感じ取ってくれる。
そんな絵本が真に良質な絵本だと思っています。
このブログ内では、そんな絵本を中心にご紹介しています。
1歳半~2歳くらいになってくると、一時期、
子どもが気に入った絵本をエンドレスで読まされる時期が来ます(笑)
それもまた立派な成長なので、疲れない程度に付き合ってあげてほしいのですが
0歳代は、親が好きな絵本を読めるチャンスです!!
ぜひ、お母さんが好きで楽しく読める絵本を探してほしいなと思います。
(これがまた3歳くらいになってくると、親の選んだ絵本も読んでくれたりするようになるのですが)
ママの声のトーン、表情、そのすべてが赤ちゃんへのギフトです。
まとめ:リアルもデフォルメも、どちらも赤ちゃんの世界を広げる
「赤ちゃんにはリアルな絵本を」という考え方は正しい。
でもそれが「すべてではない」ということも、同じくらい大切なことです。
デフォルメを認識する力は高度な脳の処理ですが、
人間の多くの子どもは1歳半頃にはそれができるようになります。
その力を育てるのは、日々の体験の積み重ね。
リアル絵本も、デフォルメ絵本も、
どちらも赤ちゃんの世界を豊かに広げてくれます。
「絵本選びに正解はない」という気持ちで、親子で絵本を楽しんでいきましょう。
「どうぶつのおやこ」と「どうぶついろいろかくれんぼ」、
ぜひ2冊セットで絵本棚に加えてみてください。
👇 どうぶつのおやこ(福音館あかちゃんの絵本)
👇 どうぶついろいろかくれんぼ



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