登園しぶりに効く絵本3選!入園・転園の不安を和らげるおすすめ絵本

絵本


「行きたくない」その一言に、どれだけ胸が痛くなったことか

「ようちえん、いや!」
「ほいくえん、いかない!」

玄関先で鞄を抱えたまま、
ぽろぽろと涙をこぼす子。

そんな姿を前に、どうしてあげればいいか分からなくなったことはありませんか?

「ちゃんと準備してきたのに」
「慣れてきた頃かと思っていたのに、なぜ今さら」

入園したばかりの4月・5月、もしくは転園や進級のタイミング——。
そういった変化の多い時期に、
「登園しぶり」はとくに起きやすくなります。

 

でも、少し立ち止まって考えてみてください。
「行きたくない」と言える子は、
それだけ正直に気持ちを表現できているということ。

そして、その言葉を受け止めようとしているあなたは、
すでにじゅうぶん良いお母さん(お父さん)です。

「行きたくない」は子どもの正直な心の声。
まずは、その気持ちを丸ごと受け止めることが、回復への第一歩です。

 

今日は、500冊以上の絵本を所有、年間300冊以上の絵本を読む私めいたが、
そんな登園しぶりの時期に子どもとお父さん・お母さんの心に寄り添う絵本を3冊ご紹介します。

私自身が息子の「行きたくない」と向き合ったとき、
実際に手に取り、一緒に読んで助けてもらった絵本たちです。


登園しぶりは「わがまま」ではなく「適応しようとしている証拠」

登園しぶりが続くとき、親としてはどうしても焦りや不安が出てきます。
「このまま嫌いになったらどうしよう」「友だちができていないのかな」——。

でも、発達心理学の観点から言えば、
入園や転園後の「行きたくない」は、
子どもが新しい環境に懸命に適応しようとしているサインであることがほとんどです。

知らない場所、知らない先生、知らないお友だち。
大人だって、急に見知らぬ職場に放り込まれたら不安ですよね。
それを3〜5歳の子どもが一人で乗り越えようとしているのですから、
むしろ当然のことなのです。

 

この時期に大切なのは「早く慣れさせること」より、
「安心できる場所があること」を子どもに感じてもらうこと。

家庭が安全基地になっていれば、
子どもは少しずつ外の世界に踏み出せるようになります。

絵本は、子どもが「自分だけじゃないんだ」「この気持ち、わかってもらえた」と感じるための、やさしい窓口になってくれます。

 


なぜ入園・転園後に登園しぶりが起きやすいのか

原因1:環境の変化が「安心感の喪失」を生む

入園・転園・進級は、子どもにとって「知っているものが全部変わる」体験です。

場所、先生、お友だち、ルーティン
——これらがすべて一度にリセットされることで、
子どもは「自分の居場所はどこ?」という感覚を持ちやすくなります。

とくに転園や進級の場合は、
以前の先生やお友だちを恋しがって「前のほうがよかった」という気持ちが強く出ることもあります。

これは子どもが以前の環境に愛着を持っていた証拠であり、
けっして悪いことではありません。

環境の変化は必ずしも子どもを傷つけるものではない。
でも「慣れるまでの揺らぎ」には、そっと寄り添うサポートが必要です。

 

原因2:言葉で気持ちを伝えるのが難しい年齢

3〜5歳の子どもは、
自分が感じている不安や寂しさを言語化することがまだ得意ではありません。

「なんとなくいや」「お母さんと離れたくない」という複雑な感情が、
うまく言葉にならないまま「行きたくない!」という拒否の形で出てきます。

だからこそ、大人が「どうしていやなの?」と聞くと、
子どもも答えられなくて余計に混乱してしまうことがあります。

絵本の主人公が同じ気持ちを抱えている場面を見ることで、
「あ、これが私の気持ちかもしれない」と子ども自身が気づくきっかけになります。

感情に「名前」をつけてあげることが、子どもの不安を和らげる第一歩になります。

 

原因3:親の不安が子どもに伝わっている

これはとても正直に言わなければならないことなのですが、
親の「早く行かせなきゃ」「慣れてほしい」という焦りや不安は、
敏感な子どもにダイレクトに伝わります。

私自身、息子がほいくえんに通い始めた最初の数週間、
「早くなれてくれないと私が困る」という焦りを持ってしまっていたと気づきました。

そのときの息子の表情は、どこか固かった気がします。

親がどっしりと「大丈夫だよ、行ってらっしゃい」と言えるためにも、
親自身が「登園しぶりは一時的なものだ」と知っておくことが大切です。

子どもが安心できるかどうかは、親が安心しているかどうかと深くつながっています。

 


絵本で「気持ちの言語化」と「安心感」を届ける

登園しぶりへの対応法はいろいろありますが、
絵本には他の方法にはない独自の力があります。

絵本の主人公が「行きたくない」と感じ、
それでも少しずつ踏み出していく姿を、子どもは自分の体験と重ねながら読みます。

「わかる!」という共感と、
「あの子も大丈夫だったんだ」という希望が、
じんわりと子どもの心をほぐしていきます。

読み聞かせは、「説得」ではなく「共感」のコミュニケーション。
だから子どもの心に届くのです。

 

以下に、登園しぶりの時期に特におすすめの3冊をご紹介します。


今日から手に取ってほしい絵本3冊

『ようちえんいやや』(長谷川義史・作)

「ようちえん、いや!」と言い続ける男の子の物語。
関西弁のリズムと、
子どものリアルな葛藤がユーモラスに描かれていて、
「うちの子のことだ!」と思わず笑ってしまうほどです。

この絵本のすごいところは、
登園しぶりを「問題」として描かず、男の子の気持ちをそのまま肯定しているところ。

読み終えたあと、なんとなく「行ってもいいかな」という気持ちになれるのは、
男の子が自分で答えを見つけていく過程があるからです。

入園したての子だけでなく、
転園後の気持ちの切り替えが難しい子にもよく合う一冊です。

実はこの絵本、息子が年少クラスから年中クラスに進級するときに
先生が読んでくださった絵本です。
息子の園は一号認定(幼稚園利用)の子が多く、
年少クラスからお友達がぐっと増えました。

ですので、春はそれはそれはもう、
「ママと離れたくない」と泣く声が…。

そんな子どもたちも、
年中さんを目前にした今、
自分のペースで少しずつ、成長している。
朝、離れたくない!と泣く子はもういない。

「みんな大きくなったね、がんばったね」
と子どもたちに声をかけてくださっていました。
(そんな姿に私たち保護者もほっこりした気持ちになったり)

 

「行きたくない」を笑いと共感で包み、成長も感じさせてくれる絵本。
子どもの気持ちに「そうだよね」と言えるようになれます。

 

『ゆうきをだして!』(ペク・ヒナ・作)

新しい環境への一歩を踏み出す勇気を、
温かい絵と言葉で描いた絵本。
シンプルながら深いメッセージがあり、
転園・入園・進級など「新しい環境への不安」全般に寄り添ってくれます。

 

特に、親としても「背中を押してあげたいけど、どんな言葉をかければいいかわからない」と感じているときに読むと、
読み聞かせながら自然に「一緒にがんばろうね」という言葉が出てきます。

春は私たち保護者にとっても、
子どもが新しい環境に行く不安や
自身の職場復帰など環境変化が多い時期。

親にも子どもにも、
「一歩踏み出す勇気」
「新しい環境への希望」
が必要な時期なのではないでしょうか。

ちいさな勇気と、新しい環境への希望を子ども自身が感じ取れる絵本です。

 

『しばらくあかちゃんになりますので』(ヨシタケシンスケ・作)

「もうむりだから、しばらくあかちゃんになります」と宣言する主人公。

疲れたとき、もうがんばれないとき、
退行(赤ちゃん返り)してもいいんだというメッセージが、
ユーモアたっぷりに描かれています。

登園しぶりと赤ちゃん返りが重なっているお子さんにとくにおすすめ。

「あかちゃんになってもいいよ」
「休んでもいいんだよ」と親が言葉にしにくいことを、
絵本が代わりに伝えてくれます。

ヨシタケシンスケさんの絵本は子どもだけでなく大人も刺さることで有名ですが、
この一冊は特に「無理しなくていい」と疲れた親自身の心も救ってくれます。

この絵本を読んでからしばらく、
ふざけながら親子で赤ちゃんごっこをしていました。
私は「赤ちゃんだからお水持ってきて~」
なんて子どもにお手伝いしてもらう口実に使ったりもしていましたが(笑)

我が家は、進級と同時に第二子の誕生など環境の変化が大きく、
「いつも抱っこしてもらえる弟がうらやましい」
という思いが息子に少なからずあったようです。

そんなときに、赤ちゃんのようにお膝にのせて抱っこしてみたり
ぎゅっと抱きしめながらキスをしてみたり
そんなスキンシップを取ることで、
息子も安定していきました。

 

「頑張らなくていい日があっていい」——そのことを、笑いながら親子で確認できる一冊です。

 


まとめ:絵本は、子どもの心に一番近い「伴走者」

入園・転園・進級——環境が変わる春は、
子どもにとっても親にとっても、揺らぎが大きい季節です。

「行きたくない」と泣く子を前に、
どうしてあげればいいか途方に暮れることもあるかもしれません。

でも、その子の隣に座って、一冊の絵本を一緒に開くことが、そのままケアになります。

主人公が不安を感じ、
それでも少しずつ前に進んでいく姿を、子どもは自分と重ねて読みます。

「これ、ぼくと同じだ」「ゆうきをだせるかも」
——そんな小さなつぶやきが、明日の登園への一歩をそっと後押しします。

 

絵本の力は、「答えを教える」ことではなく、
「自分で気づく手助けをすること」。
だから説得より、絵本のほうがずっと子どもの心に届くのです。

今日ご紹介した3冊は、
どれも書店や図書館で手に取りやすい定番の一冊です。

まずは一冊、寝る前の読み聞かせに加えてみてください。

「読んでよかった」と感じるのは、子どもだけではなく、あなた自身かもしれません。

ご紹介した絵本はこちらからチェックしてみてください♪↓


ようちえんいやや (絵本・こどものひろば) [ 長谷川 義史 ]


ゆうきをだして! [ くすのき しげのり ]


しばらくあかちゃんになりますので (PHPわたしのえほん) [ ヨシタケ シンスケ ]

✏ この記事を書いた人
めいた

めいた

  • 4歳・0歳の男の子を育てる30代のママ
  • 年間500冊以上の絵本を読む
  • 子どももママも一緒に楽しめる知育をコンセプトに運営

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