「昔話って、最近あまり読んでいないかも」
「人魚姫」「浦島太郎」「シンデレラ」——。
子どものころ、繰り返し読んでもらったのに、
気づけば自分の子どもには読み聞かせていなかった、
ということはありませんか?
本屋さんに行けば、かわいいキャラクターの絵本や、
最新の知育絵本がずらりと並んでいます。
ついつい新しいものに目が向いてしまって、
昔話の絵本は「どこかで読ませればいいかな」と後回しに。
私自身もそうでした。
絵本は沢山そろえたものの、所謂「昔話」の絵本がほとんどないという状態。
保育園の発表会の演目が
「おむすびころりん」と決まったとき、
「そういえばおむすびころりん、読んだことあるかな?」
ふと不安になったんです。
でも、昔話って実はすごいんです。
ただ「昔の話」なのではなく、
その時代の文化・言葉・価値観が丸ごと詰まった、最高の知育コンテンツなんです。
昔話から遠ざかると、子どもが失うものがある
「昔話くらい、大きくなってから読めばいい」——そう思っていませんか?
でも、言葉の感受性が爆発的に育つ幼児期にこそ、
昔話の言葉や世界観に触れることに意味があります。
たとえば「おむすびころりん」。
今の子どもたちは日常的に「おにぎり」という言葉を使っています。
でも昔は「おむすび」と呼ぶのが普通でした。
「おむすびって何?」
「おにぎりとちがうの?」
この小さな疑問が、
言葉の歴史や文化への興味につながる入り口になります。
言葉は時代とともに変わる。昔話はその変化を、子どもに自然に気づかせてくれます。
世界の名作ならさらに広がります。
「なぜガラスの靴なの?」
「どうしてかぼちゃが馬車になるの?」
子どもの「なぜ?」は、世界の文化や習慣への扉を開きます。
昔話が知育に良い3つの理由
「聞き慣れない言葉」が語彙力と感受性を育てる
昔話には、今ではあまり使われない言葉が自然に出てきます。
「おむすび」「わらしべ」「きこり」「よめいり」——。
現代の絵本ではなかなか出会えないこれらの言葉が、
子どもの語彙の引き出しをそっと広げてくれます。
「これどういう意味?」と聞かれたとき、
一緒に調べたり、話し合ったりする時間が生まれます。
それ自体が、立派な知育の時間です。
海外の絵本だと、
「あれ?ぼく/わたしのお友達と名前の感じが違うな?(カタカナで、聞きなれない語感)」
と、名前や地名も小さな気づきにつながることもあります。
知らない言葉に出会うことが、語彙力を育てる最初の一歩になります。
原因2:世界の昔話は「文化の多様性」を体感できる教材
「シンデレラ」「美女と野獣」「人魚姫」——。
ヨーロッパの昔話には、お城、騎士、魔女、舞踏会といった、
日本の日常にはない世界が広がっています。
子どもはこれらの物語を通じて、
「世界には自分が知らない場所や文化がある」ということを、
説明されるのではなく、物語の中で感じ取ります。
地図や図鑑で「フランスにはお城がある」と学ぶより、
昔話の世界でワクワクしながら体感するほうが、
記憶にも感情にも深く刻まれます。
絵本の中に登場する食べ物もそうです。
「チェリーパイってどんな味がするんだろう?」
(チェリーパイはアメリカでは非常にポピュラーな食べ物ですが、
日本ではケーキ屋さんに行けばあるものの、ショートケーキほど王道のスイーツというわけではないですよね)
「おばあさんのお土産に持っていくぶどう酒ってどんなもの?」
など、
自分の普段の生活の中ではなかなか目にしない食べ物も、
子どもの興味をひきつけるきっかけになります。
物語で体感した「世界の広さ」は、子どもの好奇心の土台になります。
昔話の「教訓」が道徳心を自然に育てる
昔話には必ずといっていいほど、
「善いことをすると報われる」「意地悪をすると罰を受ける」という構造があります。
「正直者のきこり」「三枚のお札」「おむすびころりん」——。
こうした物語を繰り返し聞くことで、
子どもは道徳観を「教えられる」のではなく、
「物語の中で体験する」ことができます。
「なぜあのおじいさんは得をしたの?」
「どうして意地悪なおじいさんはダメだったの?」
こうした問いかけが、子どもが自分で考える力を育てます。
「なぜ?」と考えさせる昔話は、道徳心と思考力を同時に育てます。
日本と世界の昔話をバランスよく取り入れる
とはいえ、昔話の絵本を一冊ずつ揃えていくのは大変です。
種類も多いし、どれを選べばいいか迷ってしまいます。
そこでおすすめなのが、
日本と世界の名作がセットになった絵本シリーズを手元に置くこと。
読み聞かせのたびに違う話が選べるので、
「今日はどれにする?」と子どもが選ぶ楽しみも生まれます。
「次はこれ読みたい!」と子ども自身がリクエストするようになったら、
読書習慣の始まりです。
「準備→体験→振り返り」の小さなサイクルが、子どもの学びを確かなものにします。
具体アクション:今日から手に取ってほしい名作えほん
「はじめての世界名作えほん あかいえほんのおうち」を一冊手元に置く
日本と世界の名作昔話がひとつにまとまった絵本シリーズです。
「シンデレラ」「赤ずきん」といった世界の名作から、
「おむすびころりん」「かさじぞう」といった日本の昔話まで、
子どもが初めて出会う物語としてぴったりの内容が揃っています。
一冊あれば毎日違うお話が楽しめるので、
「今日は何を読もう」と迷わなくていいのが助かります。
祖父母の家に遊びに行ったとき、
「かさじぞうにでてきたやつだ!」
と道ばたにあるお地蔵様を見つけた息子の目は輝いていて、
まさに「絵本とリアル」がつながった瞬間でした。
同時に、小さい頃は目に入っていたお地蔵様も
大人の私の視界からは消えていたなぁ、なんて思ったり。
「知っている話」が増えると、子どもの中で世界がつながり始めます。
読み聞かせのあとに「なぜ?」を一つ聞いてみる
昔話は読んで終わりにしないことが、
知育効果を高めるコツです。
「どうしてこのおじいさんはいいことが起きたんだろうね?」
「もし自分だったらどうする?」
難しい答えを求めなくていいです。
子どもが「う〜ん」と考える5秒が、思考力を鍛えます。
答えられなくてもOK。
「ママはこう思ったけれどどうかな?」
という問いかけをするだけでも、子どもの考える力は育ちます。
物語の道徳的な結末に自分なりの言葉で答えようとする経験が、
将来の「自分の意見を持つ力」の土台になります。
以前息子に「おやゆびひめ」を読み聞かせしたときに、
「悲しいお話だった」と、息子は感想を口にしました。
どうして?と問いかけたところ、
「赤ちゃんがほしくて、かみさまからおやゆびひめをもらった女の人がかわいそう。
せっかく子どもがおうちに来てくれたのに、いなくなって、もどってこないから」
と言っていました。
私にはない視点だったので、正直驚きました。
さらに息子は、おやゆびひめはお母さんをここに呼べばいいんだ!
と、悲しいお話で終わらせない解決策まで示していました。
もちろんうちの息子も、はじめからこんなにいろいろと考えられていたわけではありません。
小さいころから絵本を沢山読んできた積み重ねが、
4歳を過ぎた今、思考力や表現力として表れてきているのではないかと思います。
「答えを教える」より「一緒に考える」が、思考力を育てます。
知らない言葉を「なんで今はちがうの?」と話し合う
「おむすびって、今はおにぎりって言うよね。なんでだろうね?」
こんな何気ない会話が、
言葉の歴史への興味や、「昔と今はちがう」という気づきを育てます。
難しく説明しなくていいです。
「昔の人はそう呼んでたんだって」くらいの会話でじゅうぶん。
大切なのは「一緒に不思議がること」。
親が「知らない」「わからない」を見せることが、
子どもに「知らないことを調べる楽しさ」を伝えます。
「知らない」を恥じない親の姿が、子どもの探究心を育てます。
昔話は「古いもの」じゃない。子どもの未来をつくる知育の宝庫
「昔話なんて、もう古い」と思っていた方も、
少し見方が変わってきませんか?
日本の昔話には、
今では使われなくなった言葉や、
日本人が大切にしてきた価値観がぎゅっと詰まっています。
世界の昔話には、
子どもが地図の上だけでなく、
物語の中で世界を旅する体験が詰まっています。
それらがまとまった名作えほんなら、
「今日はどれにする?」と子どもが選ぶところから、
知育が始まります。
まずは一冊、本棚に加えてみてください。
「おむすびって何?」という小さな疑問が、
大きな学びの入り口になるかもしれません。
昔話は、過去の話ではなく、子どもの未来をつくる物語です。
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はじめての世界名作えほん あかいえほんのおうち(1~40巻)(0)[ 中脇 初枝 ]
書店でも手に取りやすい定番シリーズです。
日本と世界の名作がバランスよく揃っているので、セットでぜひ。
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